一人暮らしシニアでも、安心して暮らすためには、できるだけ病気にかからず、健康で元気に暮らしたいものです。歳をとっても元気で過ごすためには、自分の身体の老化をしっかり知ること。病気にかかってからではなく、病気になる前に予防をすること。
栄養バランスのとれた食事で病気を予防、健康を維持することができます。
年齢を重ねると身体は老化していきます。特に一人暮らしの人は、自分の老化には気づきにくく、食べているつもりでも栄養が足りてない「低栄養」が起こりがちに。
シニアの食生活がバランスを失う原因、シニアが不足しがちな栄養素とバランスのよい献立、シニアのための塩分や糖分のとりすぎ対策、シニアの食事作りの負担を減らす工夫を紹介します。
シニアの食生活がバランスを失う原因
シニアの食生活がバランスを失うのは加齢が原因であることが多いです。
■加齢による消化機能が衰え・運動不足 →お腹が減らない →十分な栄養がとれない
■加齢による歯の衰え → 硬い食べ物(肉や魚、食物繊維の多い野菜等)を避ける → タンパク質、カルシウム、食物繊維の不
■加齢による味覚の低下 → 濃い味付けにしてしまいがち → 塩分や糖分のとりすぎ
■加齢により食事作りが面倒になる → 簡単なもので済ませる → 十分な栄養がとれない
低栄養状態になると、血管の壁がもろくなったり、抵抗力がなくなったり、体力が低下し、健康維持ができなくなってしまいます。バランスのよい食生活以外にも適度な運動、歯や身体の定期検診など予防できることは色々あります。
シニアが不足しがちな栄養とバランスの良い献立
基本的には、バランスのよい食生活は「色々なものを好き嫌いなく食べる」が一番です。その上で、シニアが不足しがちでよりもっととったほうがいい栄養素を紹介します。
筋肉の衰えにはタンパク質
肉や魚は重くなり、ついついあっさりしたものを好みがちになりますが、60歳以上のタンパク質必要量は1日男性60g 女性は50gです。
1日に必要な具体量としては
と結構な量が必要です。身体を支えているのは筋肉です。1度に食べるのは難しいので3度の食事にわけてしっかり取りましょう。
骨粗鬆症対策にはカルシウム
カルシウム不足になると骨や歯がもろくなり、特に女性は、骨粗鬆症になるのが心配です。歯がなくなると食べられなくなり、骨がもろくなると寝たきりになってしまいます。しっかりカルシウムを摂取しましょう。
疲れやすい身体には鉄分
老化とともに疲れやすくなります。鉄分補給にはこちら
高血圧にはカリウム
カリウムには利尿作用があり、血圧を下げる効果があります
便秘には食物繊維
年をとると、腸の消化機能が衰え、繊維質が不足し、便秘しがちになります。食物繊維は、積極的にとりましょう。
毎食、主食(パン・ごはん・麺類)、主菜(ハンバーグ・煮魚など)、副菜(小松菜の煮物、きゅうりの酢の物)を組み合わせるようにするとバランスの良い献立になります。
→おいしい健康>シニア向け食事
シニアのための塩分や糖分の摂り過ぎ対策
老化が原因で味覚が落ち、自分の舌でつくるとついつい塩分や糖分を摂り過ぎてしまいがちになります。塩分の摂り過ぎは高血圧の主な原因となっています。高血圧は動脈硬化、脳血管生涯、心臓病などの生活習慣病を引きおこしてしまいますので、塩分は摂り過ぎないように気をつけましょう。
摂り過ぎ対策としては、
- 自分の舌に頼り切らず、調味料もしっかり計って、レシピ通りに作ってみる
- 塩の代わりにめんつゆや減塩しょうゆを使ってみる
- 栄養バランスのとれた配食サービスを利用してみる
- 加工品には塩分が多いことを知る
など。
食塩は1日6gまでが理想的です。塩分が多い料理は、ラーメン、そば、味噌汁などの汁物。スープまで飲み干すのは1日1杯までに。また、それほど塩味を感じないものでも加工食品には、意外と食塩が使われています。
塩分量 例)
- たこ焼き(6コ)1.9g
- 塩から(20g)1.4g
- ポテトチップス(中サイズ1袋)0.9g
- 魚肉ソーセージ1本 1.7g
シニアの食事作りの負担を減らす方法
一人暮らしで自分の分だけを作るのは経済的にも肉体的にも負担で、献立が単調になってしまいがち。また、一人暮らしの孤食は、食事が楽しくないと感じる原因にもなります。
- デイサービスを利用してみんなで食べる
- 配食サービスを利用して 食事作りの負担を減らす
- ヘルパーさんにごはんづくりを手伝ってもらう
- 丼ものや具だくさんで味噌汁、麺 主菜と副菜をいっぺんに作る
などで対策しましょう。
食事が負担なく、楽しみの時間になれば、もっと食べたくなります。
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