現役で働いているときには、通勤や子どもの通学のしやすさ、子育て環境などが住まいを選ぶ基準となっていたはず。
今住んでいる家で老後も問題なければ引っ越すことは不要です。しかし、もし、社宅や住宅補助がでていたような場合など補助がなくなると家賃負担がきつくなります。通勤のために便利な場所に住む必要もありません。また、一人暮らしになって今住んでいる家が広すぎる場合、以前から憧れていた生活をしてみたいという場合など老後に暮らすにはちがう基準で選ぶことになりそうです。
住み替えるには体力とお金の備えが必要。老後にはどこに住めばいいのか、前もって考え、準備をしておきましょう。
今まで住んでいた町が安心
老後にどこか住みやすい場所へ移り住むのもいいですが、年をとってから住む場所を変えるにはリスクも発生します。新しい人間関係を築くのは大変。長年暮らした土地には、すでにコミュニティができているはず。それを一から作り上げるのは大変です。
人間関係だけでなく、住み慣れた生活、環境を変えるのは非常に難しいものです。散歩すること一つとっても、土地勘がある場所は安心です。今までかかっていたお医者さんがいる、お気に入りのお店がある、子どもや孫が遊びに来やすい場所にあるなら、“今の場所に住む”のが正解です。
逆に子どもが独立したり、近所に親しい人が少なくなったり、一人になったり、趣味などを通じた新しい交流関係を作りたいと考えるなら住み替えをした方がいいでしょう。
老後に住み替えをするならこんな場所
家族(子ども)から近い場所に住み替え
老後は家族(子ども)の近くが安心。孫の顔もしょっちゅう見れることもメリットです。万が一、自分が倒れた時、近くにいてもらえれば安心です。かといって同居すると生活リズムやスタイルが違ってお互いに居心地が悪い。ごはんを持っていける適度な距離が一番。
こどもの立場からしても、近くの方が一人暮らしの親の異変がよくわかります。
立地を重視して住み替え
自宅が広すぎてこのまま住み続けるのは大変という場合、立地が重要となります。老後になって困ることは車の運転が不安なのに、交通の便が悪いこと。
- 買い物(コンビニ・スーパー)
- お医者さん
- 駅
は近いほうが便利です。
高齢になってお医者さんに通う回数も増えてくると、交通費だけでも高額に。また行き帰りの時間でも疲れてしまいます。
最寄り駅までの距離も大切です。交通の便がいいと家にこもりきりにならず、子どもや孫や友達に遊びにきてもらい目が行き届きやすいのもメリットの一つです。
自分が運転する車だけが頼りという過疎の村にお住まいの場合にも最寄りの町の駅前まで出ることで、便利と安全を手に入れることができます。
田舎に住み替え
老後に自給自足の田舎暮らしをしたいという人も多いと思います。田舎暮らしには、
- 農作業の大変さ
- 寒暖に厳しさ(雪下ろしなどの作業)
- 車の必要性
- 新たな交友関係の構築
- 買い物や通院の利便性が悪い
- 土地の風習や閉鎖性
など問題が色々あります。
特に田舎で気をつけたいことは、老後、介護が必要となってきたときに、介護にかかわることは市町村によってサービスの充実度は違うということ。潤っている市町村ほど、介護サービスは手厚く安心できます。
田舎暮らしをしたい場合は、引っ越し先の住環境が老後にもふさわしいか下見をしたうえ、2年ぐらい住んでみるなどしてじっくりと検討してみてください。
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