老後一人暮らしのリフォーム費用

誰でも老後も住み慣れた自宅で過ごしたいものです。身体能力の低下に備えて家のバリアフリー化を考えている人も多いかと思います。

シニア一人暮らしリフォーム

トイレや階段に手すりをつけたり、家の老朽化にともなって水回りに不具合がでてくる浴室、トイレ、キッチンをリフォーム、あるいは耐震改築するなど家の状態や予算によって考えたいものです。

リフォームの相場としては1戸建てが500~700万、マンションが400~500万円の価格が多いです。しかし、一人暮らしの老後の安心・安全のためのリフォームならそれほどお金をかける必要はありませんし、助成金もあります。また持ち家を担保にリフォーム代を借りる制度もあります。

このページでは、老後一人暮らしのためのリフォームにかかる費用について紹介しています。

介護保険によるリフォーム費用助成

自宅をバリアフリーにリフォームする場合、『要支援』や『要介護』の認定を受けた65歳以上の高齢者が一定の条件を満たせば20万円まで※ の工事費用の9割(一部の人は8割)が介護保険の住宅改修費支給制度から支給されます。20万円までの公費費用なら自己負担金は最大2万円または4万円

基本的には、使えるのは1人1回のみ。ただし、上限20万円を超えた場合、転居また要介護が3段階以上高くなった場合や要支援からの場合は4段階以上上がった場合は再度利用できます。

※2016年現在の状況です。

介護保険で助成の対象となる工事例

  1. 手すりの取り付け
  2. 段差の解消
  3. 滑りの防止、移動の円滑化などのための床または通路面の材料の変更
  4. 引き戸などへの扉の取り替え
  5. 洋式便器などへの便器の取り替え
  6. その他1から5の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

 

など。手順としては

ケアマネージャーに相談 → 事業者が下見 → 事業者に見積もり依頼 → 工事前に事前に承認申請 → 確認審査  → 施工依頼 → 施工完了 → 全額支払い →支給申請

 

という流れになります。お金は全額まずはいったん自分で支払って、後から申請して返金させるというしくみです。

支給申請に必要な書類は、

  • 工事の領収書
  • 工事費の内訳書
  • 工事前後の写真など改修後の状態がわかる資料
  • 利用者が住宅の所有者でない場合は、住宅所有者の承諾書
  • 介護保険被保険証

 

介護保険については改正が多い上、自治体によってはさらに独自の補助制度があるところもあります。詳しくはケアマネージャーや市区町村窓口(介護保険課など)または以下のサイトで確かめて下さい。

地方公共団体が実施する住宅リフォーム支援制度を検索できます→地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト

 

リフォーム費用の目安

 

リフォーム費用は施工会社によって違います。あくまでも目安として参考にしてください。

  • 手すりの設置・・・約1万円代~
  • 二重窓・・・約7万~
  • 家全体のバリアフリー・・・約100~200万
  • キッチン:ガスコンロ→IH・・・約25万円~
  • キッチン:システムキッチンの交換・・・約50万円~
  • トイレ:暖房ウォシュレット設置・・・8万円前後~
  • トイレ:和式→洋式・・・32万円~
  • 脱衣所・洗面所・・・約10万円~
  • お風呂:浴室暖房設置・・・約15万円~
  • お風呂:ユニットバスまるごと交換・・・約90万~
  • お風呂:新たにユニットバス設置・・・約130万円~
  • 玄関スロープ・・・10万円前後~

 

リフォームの費用はは古い家でお風呂やトイレをまるごと交換となるとかなりお金がかかり、介護保険の限度額を越えてしまいます。

介護保険法がスタートした2000年以降に建てられた分譲マンションは、将来、バリアフリー回収を考えて設計されている事が多いためたいていは助成金の限度額でおさまります。

家を買うときにそうしたことも考慮にいれて買うといいですね。

 

リフォームの優先順位を考えると、お風呂、トイレ、脱衣所といった他の部屋との寒暖差が生じやすい場所。これらはすべて水回り。水回りは10~25年ぐらいでリフォームのタイミングややってきます。効率を考えると、まとめて工事したほうが値段が安くなります。

キッチンのIH化については、卓上の電気コンロを買う(1万円未満)など道具を変えるだけでも充分。

 

リフォーム費用を捻出する方法

 

自宅は持ち家だけど、リフォーム費用がない。そんな人は自宅を担保にリフォーム費用を借りる制度があります。

高齢者向け返済特例制度

一部の自治体では、自宅のバリアフリーリフォーム、耐震改修工事のための資金の融資制度を設けています。融資の上限は1000万円。この制度は満60歳以上の人が、自ら住んでいる自宅をリフォームスル場合にのみ利用できます。高齢者移住支援センターが連帯保証人になるので、保証人を立てる必要がないのは、一人暮らしにも魅力。本人亡くなったときに、こどもたちが家を売って一括返済することもできるが、一括返済できないときには、財産権が高齢者住宅財団にうつってしまいます。

リバースモーゲージ

自宅を担保に、住みながらお金を借りることができるというもの。リバースモーゲージには『長期生活支援資金貸付制度』と『リバースモーゲージ信託』の2つがある。前者は生活費を後者は、リフォーム代としても借り入れることができます。

 

住宅ローンの逆で、すでにある家を担保にお金を借りるので、借り入れ金が年月とともに増えていきます。最終的に自宅を処分するしくみなので、こどもがいない一人暮らしの人には検討の価値あり。

 

一人暮らしの人のリフォームは相場より値段が安くつくことが多い上、コンパクトにまとめるチャンスでもあります。早めに準備して老後の快適な家をつくってください。

 

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