高齢者の健康に備える検診・人間ドック

高齢になり、老後の生活のために貯めたお金が医療費に消えていく人が増えています。

高齢者の楽しみや生きがいのある生活には、『健康である』ことが絶対条件。健康のためにも、健康診断人間ドックを受けて、早期発見、早期治療を心がけましょう。早く発見して、早く治療すると、その分、医療費も最低限になり、介護や医療にお金がかからないようになります。

日頃から自分の健康状態をチェックする方法、市町村が行う特定検診やがん検診と人間ドッグの検査する項目の違い、値段の違い、シニア一人暮らしを支える健康づくりのために検診をどう活用すればいいかを紹介しています。

 

自分の健康状態を自分でチェックするには?

シニアの健康自己チェック

50歳を過ぎたら自分の体調はキチンと知っておくことが大切です。こんなことに気をつけてみましょう

  • 朝起きたときの顔色
  • 体温
  • 体重
  • 便や尿の状態
  • 胸の状態

 

朝、起きた時に自分の顔をよくみてみましょう。顔がむくんでいるとか、目が充血しているなどいつもと違う顔をしていることも。家族がいれば気づいてもらえることもありますが、一人暮らしの人は、毎日鏡をきちんと見ることで、みつかる病気があります。

また平熱は何度ぐらいか? 急に痩せてきてはいないか? 便秘や下痢を繰り返してないかなどいつもの自分と違うかどうかを常に気にしておきましょう。

 

その他、自宅で簡単にできるセルフチェックはこちら

ロコモシンドロームセルフチェック

近年、高齢者に『ロコモティブシンドローム』の人が増えてきています。ロコモティブシンドローム』とは、運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態を指し、略称:ロコモ、和名:運動器症候群 とも言います。

ロコモは筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器のいずれか、あるいは複数に障害が起こり、「立つ」「歩く」といった機能が低下している状態をいいます。

ロコモシンドロームのセルフチェックはこちらから→ロコモ問診票

筋肉を鍛えるにはこちらを参照→シニアの健康維持のための運動

 

乳がんセルフチェック

セルフチェック方法はこちら→乳がん自己検診の方法

 

認知症セルフチェック

認知症は早く気づいて対応することで、症状を軽くしたり、進行を遅らせることができます。まずは相談が必要か、認知症の初期症状が確認できるセルフチェックを試してみましょう。

変化はゆっくりと現れる事が多いので、1年前の状態と今を比較してみましょう。

  • ものをなくしてしまうことが多くなり、いつも探し物をしている
  • 大事な物(財布や通帳)などをなくすことがある
  • 曜日や日付をなんども確認しないと忘れてしまう
  • 薬を飲み忘れてしまう。飲んだかどうかもわからないことがある
  • リモコンや電化製品の操作がうまくできない
  • 怒りっぽくなった
  • 一人でいるのが不安
  • 好きなテレビ番組、趣味を楽しめなくなった

ひとつでも思いあたる場合は、市区町村の介護課や地域包括支援センター等に相談してみましょう。

歯・目・耳の定期検診

高齢になって定期的にケアしておきたいのが歯・目・耳。歯や目や耳は日常的に使うもの。歯・目・耳が使えなくなると一気に色々なことが不自由になってしまいます。これらは人間ドックなどの大きな検診にこだわらず、それぞれのかかりつけ医で、日常的、定期的に検査してもらうようにしましょう。

歯を失う原因は色々ありますが、高齢者が歯を失う原因で多いのは歯周病です。

歯周病は、歯と歯ぐきの間にある歯垢、歯石の中で細菌が繁殖、炎症し歯肉から出血がある、はれるなどの症状がでます。最悪の場合は、歯がぐらつき抜けてしまいます。歯の治療は保険が効かない治療も多く、治療が高額になります。日頃から定期検診で歯垢のチェック、除去をしてもらいましょう。医療費の節約にもつながります。

高齢者がかかりやすい目の病気としては、老人性白内障、緑内障、加齢黄斑変性症といった病気があります。体がシャキシャキ動いても、目がよく見えないとつまずいたり、ぶつかったり、怖くて歩くのもままならなくなります。目の病気は、治療が遅れると、場合によっては失明にいたることも。老眼鏡も一度作ったらそのままではなく、きちんと眼科で視力を測ってもらい、視力以外も定期的にみてもらいましょう。

加齢による難聴を老人性難聴と言います。目や歯に比べて耳の症状は自分ではわかりにくいですが、耳が悪くなると、後ろから来た車の音が聞こえなくなったり、コミュニケーションがうまくいかず孤立してしまうことにもなりかねません。自己判断せず、耳鼻科で見てもらいましょう。

 

特定検診と人間ドッグの違い

人間ドッグ

健康診断には色々種類がありますが、国(厚生労働省)が推奨し、自己負担が少なく受けられるものが特定検診とがん検診。受けるかどうかは自分次第、任意で受診する人間ドッグがあります。

特定検診 国が推奨  市区町村で補助あり
がん検診 国が推奨  市区町村で補助あり
人間ドック 任意で受診 市区町村では補助なし。基本的には全額自己負担

特定検診は、最低限必要な基本的な検診。市区町村で採用を義務付けられています。がん検診は、検診を受けることによって 死亡率を下げることができる5つのガン、胃ガン・大腸ガン・乳ガン・子宮頸ガン・肺ガンの検診です。

ほとんどの市町村では、特定検診とがん検診の費用の多くを公費で負担しており、一部の自己負担(無料~1000円程度)でがん検診を受けることが出来ます。

一方、人間ドックは、さらに精密な検査ができます。日帰りコースで4万円前後(医療機関によって異なる)と非常に高額です。

 

特定検診とは?

特定検診とは、以前の基本健康検査(昔の市民検診)に代わる、メタボリックシンドロームに着目した検診で、生活習慣病の予防、改善を目的としています。メタボだと判断された場合、医師、保健師、管理栄養士から生活改善のためのサポートを受けることができる検診です。

メタボの心配はなくとも、行われる項目は、問診、診察、身体測定、血圧測定、血液検査、尿糖、尿蛋白、その他医師の判断で心電図、眼圧測定、貧血検査ですので、基本的な健康診断だと思って受けて下さい。

特定検診の対象者

健康保険に入っている 40~75歳未満の人

特定検診はどこで受けるの?

特定検診やがん検診は、会社勤めの人は職場(または職場の健保組合の指定医療機関)で受けることができます。それ以外の国民健康保険等の人は市の開催する特定健診やがん検診を受けることができます。40~75歳未満であれば、自宅に受診券が送られてきます。同封の書類に、日付や場所、申込み方法などが記載されていますので、それに従って申し込んでください。

または、市の広報誌などに情報が記載されています。

特定検診と人間ドックの値段のちがい

値段は市区町村によって、入っている保険によって、異なりますが、無料~1000円程度と非常に安いです。

人間ドックは病院によって、受ける検査の種類によって、値段が変わります。

参考)健康医学予防協会で行っている人間ドッグの値段

  • 日帰りコース 37,300円
  • 1泊2日コース 62,300円

これにオプションとして、

  • 骨密度検査 2,800円
  • 乳がんセット(マンモグラフィ+乳房超音波検査+視触診) 7,800円
  • 脳ドック 30,000円

他色々とオプションをつけることができ、つければつけるほど高額になります。

人間ドッグは、会社勤めなら、会社で入っている健康保険組合で補助金が出て、1~2万円の自己負担ですむところも多いので、定年前には必ず受けておきましょう。

また、多くの市町村では、国民健康保険加入者には、人間ドックに助成金がでて、一部の自己負担で受診することができます。詳しくは、市町村の国民健康保険関連の窓口、または、人間ドックを受診できる病院に問い合わせてみましょう。

人間ドッグのメニューから公費で負担してくれる特定検診、がん検診の重なる部分は差し引いて、残りを自己負担でやれるという病院もあります。

 

また、人間ドックを割引してくれる生命保険、カード会社もあります。

 

人間ドックはどこで受けるの?

人間ドックは医療機関で受けることができます。会社勤めの人なら、会社勤めの人は職場(または職場の健保組合の指定医療機関)で受けることができますので、まずは、健康保険組合に問い合わせてみてください。

人間ドックは、朝食を抜いていったり、下剤を飲んだり、体に負担がかかります。どこで受けていいかわからないという人は、家の近くで人間ドックを行っている病院を探してみましょう。

 

人間ドックを受けた後はどうするの?

人間ドックを終えた後は、2~3週間で結果が郵送されてきます。

結果はA 正常 、C要経過観察 ~H要専門医受診 まで判定されていますが、自分でチェックした後は判定にかかわらず、かかりつけ医に持っていき、見てもらいましょう。かかりつけ医が詳しく説明してくれたり、今後の参考にしてくれることもあります。要精密検査なら、病院を紹介してくれます。

 

高齢者が受診するべき健康診断まとめ

  • 特定検診とがん検診は公費負担で安く受けることができる
  • 会社勤めの人は会社が入っている健康保険で特定検診とがん検診を受けることができる
  • 会社勤めの人は会社が入っている健康保険で人間ドックの費用を補助してくれることが多い
  • 人間ドックを受ける病院は家の近くで
  • 人間ドックの結果はかかりつけ医に見てもらう

【高齢者の健康関連記事】

高齢者の健康健康 トップページ

高齢者がかかりやすい病気と対策

高齢者の健康に備える 検診・人間ドッグ

高齢者の健康を守る“かかりつけ医”

高齢者一人暮らしの入院準備

高齢者の健康維持のための運動

高齢者の健康維持のための食生活

高齢者の健康 治療の意思表示

 

スポンサードリンク

Copyright© シニア一人暮らし準備ナビ , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.