地震、台風、土砂災害、ゲリラ豪雨・・・日本は世界有数の災害大国です。
老後一人暮らしの人は、災害が起きるとダメージが甚大。古い木造住宅や簡単な造りのアパート、狭い部屋に荷物をぎゅうぎゅうに入れていると、地震のときには、落ちてきたり、火事のときには火種になります。
天災は人の力では防ぎようがない面もありますが、大事なのは、被害を最小限に抑えるように日頃から準備をしておくこと、自分が原因をつくらないこと。老後一人暮らしの人に普段から準備しておきたい防災(火災・地震・台風)対策について紹介します。
老後一人暮らしの火災対策
老後の一人暮らしで一番怖いのが火災と言っても過言ではありません。地震の二次災害などで他からの延焼で起こる場合は避ける事ができませんが、自分の部屋、家から出さないように気をつけることが大事です。
老後では特に、ちょっとした不注意が火事の原因になることが多いので、日頃からしっかり気を引き締めて生活しましょう。火災の原因で多いのが、たばこ、ストーブ、コンロ。
ストーブのそばに衣類などの燃えやすい物、スプレー缶は置いていませんか?
盲点なのは電気ストーブ。ガスや石油よりも安全と思いがちですが、実際にはストーブ火災は全体の7割を占めています。(東京消防庁調べ)電気ストーブをつけたまま寝て布団が接触して火災になったり、ストーブの上で洗濯物を干して落ちた洗濯物に火が燃え移ることもあります。
台所では、ガスコンロの火が衣服に燃え移ったり、てんぷら油を加熱しすぎて火事になるケースもあります。離れるときには必ず火を消すようにして、歳ととってから揚げ物は家ではやらないルールを決めてもよいと思います。
- 119番を電話の前に貼っておく(とっさの時に思い出せないことも)
- 消火器の位置と使い方と使用期限をよく確認しておく
- 火災警報器を設置し、きちんと作動
- コンセントまわりのホコリは掃除する(ショートする原因になります)
- コードを束ねて使わない(高熱発生の原因)
- タコ足配線はしない
- 暖房、コンロの周りにモノは置かない
- 古い電化製品は使わない。リコール対象製品か確認
- 料理中はタイマーを使う
- 暖房器具やコンロをつけっぱなしで外出しないようにする
- ガスコンロ→IH調理器具へ変更する
- 石油ストープ→ガスまたは電気ファンヒーターへ変更
- 仏壇のろうそくの火はつけっぱなしにしない
- 玄関に燃えやすい新聞や雑誌を置かない(放火防止)
- マンションの避難用ハッチの上にモノを置かない(避難通路確保のため)
- 火災保険には入っておく
全国の消防署では、希望する高齢者の家を訪問して、火災対策を無料診断してくれるところもあります。最寄りの消防署に聞いてみましょう。
火災が起こってしまった後の対策は?
小さな火であれば、消火器や水で消す事ができますが、老後の一人暮らしでは、逃げるにも時間がかかります。天井まで火が回っているようなときには、すぐに避難が大事です。
- 換気扇はすぐに止める(酸素を供給すると火が大きくなる)
- 逃げるときにはドアを閉める(酸素を供給すると火が大きくなる)
- 油に火がうつった場合は、いきなり水をかけず、水で濡らしたシーツや毛布、市販の消化シートなどを上からかぶせ、酸素を遮断する
- 煙を吸わないように、姿勢を低く、濡れたタオルで口をおさえる
老後一人暮らしの地震対策
地震の時に最優先するのは、自分の身を守ること。次に大きな揺れがおさまったら、家中の火のを消し、トアや窓を開け、逃げ道を確保します。
地震が起きる前の準備
- 家の中の安全な場所を確認(柱があるせまいところ=トイレなど)
- 家の中を片付ける (脱出経路の確保)
- 玄関に高い家具は置かない
- 外の緊急避難場所(小学校や公園)を確認
- 災害伝言ダイヤル171の使い方を確認
- 家族や友人と待ち合わせ場所や連絡方法を話し合っておく
- 普段から孤立しないようにする
- 家具を固定しておく
- 寝ている部屋に大きな家具、家電をおかない
- 枕元にスリッパ(ガラスの破片などで足の怪我予防)
- エアコンの下で寝ない
- 防災キットを用意する
- 感電ブレーカーを設置する
※感電ブレーカーとは、地震の揺れに反応して電気を止めるもの。倒れたストーブや断線したコードに電気が復旧して出火する『電気火災』が増えています。
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地震が起きてしまった後は?
火事などの二次災害を防ぐためにガスの元栓を締め、電気のブレーカーを落とします。避難するときには、エレベーターは使わず車も乗らず徒歩で一時避難場所に向かいましょう。
- 慌てて外に飛び出さない
- 家具から離れる
- テーブルの下などで頭を保護する
- 使っている火はすぐに消す
- ドアや窓を開ける(閉じ込め防止)
- ガスの元栓を締める
- ブレーカーを切る(漏電防止)
- 歩いて避難、狭い道や塀際は歩かない
- エレベーターが使えても階段をつかうようにする
老後一人暮らしの台風対策
台風だけは、予測が可能です。しっかり天気予報を聞いて、備えましょう
- 懐中電灯の用意(停電に備える)
- 電化製品のコンセントは抜く(雷対策)
- ベランダをチェック(植木鉢や物干し竿は飛ばされないか)
- 窓対策(雨戸やシャッターを閉める)
- 食料や水を準備(買い物にはいかない)
- 排水口は掃除しておく
老後一人暮らしに準備しておきたい防災備蓄グッズ
地震や災害はいつ起こるかわかりません。万が一の場合に備えて非常用の持ち出し袋を用意し、実際に災害が起こったときにどうするべきなのかを頭の中でシュミレーションしておきましょう。
- 食料 1日3食×3日分 (クッキー・おせんべい・缶詰・レトルト食品など)
- 水 1日3リットル必要
- タオル 1枚
- 懐中電灯
- 医薬品 バンソウコウ、持病の薬
- 下着・靴下
- 靴
- 毛布
- ポリ袋(水タンク・トイレ・雨具代わりになる)
- ライター・マッチ(煮炊きや暖をとるための火種として)
- 携帯ラジオ(情報収集のため)
- ティッシュ
- 地図
- 卓上用カセットコンロと予備ボンベ
- 電池
- 軍手
一人暮らしの防災対策まとめ
老後の一人暮らしの防災対策で大事なのは、
- 被害を最小限に抑えるように日頃から火災の原因を知っておくこと
- 自分が火災の原因をつくらないこと
- 起こってしまったときにどう逃げるかシュミレーションしておくこと
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