高齢者は『お金』・『健康』・『孤独』 の3つの不安をかかえています。そこにつけこんで不安をあおり、一人暮らしや判断力が不十分な高齢者の年金や財産が狙って強引に契約させる詐欺や悪徳商法が増えています。そんな被害に遭っては、せっかく貯めた老後資金が台無しに。 ますます不安の要素が増えてしまいます。
老後に悪徳商法にだまされたとしても、だまされたことに気づきにくいこととトラブルにあったことを言わない人が多いのが特徴です。実際にトラブルあった場合には、必ず誰かに相談をしましょう。
老後にどんな被害に遭いやすいのか、最近の詐欺トラブルの傾向は? 詐欺に遭わないないためにはそんな対策をすればいいか、実際に遭ってしまった場合、どこへ相談すればいいか、どう解決するのかについて紹介します。
一人暮らしの老後生活を安心・安全に過ごすために、詐欺対策について準備をしておきましょう。
高齢者の詐欺の種類ワースト10
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1位:電話勧誘販売
業者が自宅に電話をし、勧誘して販売する。説明不足や嘘の話で騙されることも。
例)
- 仮想通貨の勧誘・・これからあがる仮想通貨を買わないかと勧誘。お金を払うと業者と連絡がとれなくなる
- 名義貸し・代理購入の依頼・・「老人ホームに入居できずに困っている人がいるから名前を貸して欲しい」と契約させられる。
- オリンピック詐欺・・・オリンピックで土地や債券が値上がる話を持ちかけて購入させようとする。
2位:家庭訪問
高齢者が一人で自宅に居ることが多いのをねらって家にあがりこんで強制的に販売。凄まれると帰って欲しい一心で契約してしまう。特に一人暮らしは狙われやすい。
例)
- 消化器の交換・・交換といっていたのに高額な費用を請求
- 浄水器の販売・・水質検査と称して不安をあおり、高額な浄水器を販売
- 布団の販売・・布団を見せて欲しいといい強引に上がり込み、ダニなどを理由に高額な布団を販売
- 冷暖房の掃除・・値段を聞かずとりあえず見積もりしてもらったつもりが、高額な費用を請求
- 耐震・リフォーム診断・・シロアリ駆除、耐震検査と偽り、不要なリフォームで高額請求。
- 不用品買取り・・貴金属や着物など安く強引に買い取ると家の中に居座られる
3位:インターネット通販
アダルトサイトや利用したこともないサイトから支払い請求がくる。頼んでもいない商品が突然家に送りつけられ、現金を送るように要求される。
4位:劇場型勧誘
一昔前は1対1で電話がかかる「オレオレ詐欺」だったのが、弁護士役、同僚役、上司役など複数の人でドラマ仕立てで本当のことかのようにだましてくる。
5位:かたり商法(身分詐称)
販売業者が金融機関、市役所、消費生活センターなどの公的機関、またはその関係者であるかのように思わせて商品やサービスを契約させる商法。
例)
- マイナンバー詐欺・・マイナンバーが漏洩しているといい取消料を請求される
- 還付金詐欺・・医療費の還付金が銀行のATMで戻ってくるといわれ、逆に振り込ませる
6位:利殖商法
「値上がり確実」「必ずもうかる」と利殖になることを強調して、投資や出資を勧誘する商法。
7位:無料商法
「無料サービス」「無料招待」「無料体験」など「無料」であることを強調して勧誘し、最終的に商品やサービスを購入させる。
- エステ無料・・エステに誘い込み、契約しないと帰れない
- 化粧品無料・・無料と持ちかけて別の高額商品を売りつける
8位:ワンクリック請求
パソコンや携帯電話でアダルトサイトなどにアクセスしたところ、いきなり「登録ありがとうございます」などと表示され、高額な料金を請求するという商法。
9位:次々販売
判断能力が不十分なシニアに健康食品や布団など次から次へと同じものを購入させられる
10位:二次被害(被害に遭った人を勧誘)
一度被害にあった人を再び勧誘して、二次的な被害を与えること。以前契約をした商品・サービスについて「解約してあげる」「損を取り戻してあげる」などと電話で説明し、助けてあげるフリをしてさらに金銭を支払わせる。
※2015年5月現在の消費者庁調べ 参照
高齢者詐欺の最近の傾向
一時期は、オレオレ詐欺の件数が上昇していましたが、テレビやネットで騒がれて数が減ってきています。
その代わり、『アクティブシニア』と言われるネットを活用して情報を得るシニアが増え、インターネット関連の詐欺が増加中。アダルトサイト等のデジタルコンテンツからの不正請求。
インターネットプロバイダや、携帯電話サービス、パソコンの保守サービス等の情報通信関連の契約は、一旦申し込むと一度だけではなく毎月請求。さらに解約金が発生する、解約手続きが難しいなどで、知らないうちに長年払い続け、被害が拡大する傾向にあります。
また最近目立つのは、シニアが持っている古い貴金属などを安値で買い取る『訪問購入』です。
高齢者詐欺別 対策
高齢者が被害を受ける詐欺の対策としては、
電話や訪問販売の対策
- 知らない電話番号の電話にはでない(固定電話はナンバー・ディスプレイにor携帯のみにする)
- 留守電 → 掛け直し にする
- いきなりドアを開けない。インターホンで要件を聞く。必要なければきっぱり断り、事業者を家の中に入れない。
- よくわからないことはとりあえず断る、契約しない。
- 「代わりに申し込んで」「名義を貸して」「マイナンバー」「医療費の還付がある」「手続きはATMで」「誰にも言わないで」「弁護士(友人)にお金を渡せ」は詐欺。すぐに電話を切る
- 「今は忙しい」「家族に相談する」と断り文句を決めておく。
- 見に覚えのない請求書はすぐにお金を払わない。必ず誰かに相談する。
- 見に覚えのない宅急便は受取を拒否する。
- 高額買取は、相手から依頼がないとできません。「見せて」というのも違法なのでその通り相手に伝える。
- 確かな業者か確認してから頼む。0120以外の固定電話があるかどうか、ホームページがあるか確認。
劇場型・オレオレ詐欺の対策
- 本人しかわからないことを聞いてみる
- 合言葉を決めておく
ネット関連詐欺の対策
- 信頼できる表示かどうかわからない場合にはクリックしない
- 請求がきても払わない
情報を集める
どんな詐欺が多いのかは、地域によっても違います。国民生活センターが発酵するメールマガジン、『見守り新鮮情報』は、各地で起きている高齢者や障害者にかかわる悪徳商法についてその手口や対処方法などをメールで送ってくれます。月2回ほど配信されます。
判断力が低下した場合
判断能力が低下したと認められる場合には、成年後見制度を利用できます。成年後見制度を利用すると、補助人、保佐人、後見人が選任され、本人のために財産管理を行うことになります。保佐の場合は、保佐人が重要な取引行為を取り消すことができるようになりますし、後見の場合は、後見人が日常生活に関する行為を除き、取引行為を取り消す事ができます。
クーリングオフをする方法
クーリング・オフは、訪問販売などの不意打ち的な取引で契約したり、マルチ商法などの複雑でリスクが高い取引で契約したりした場合に、一定期間であれば無条件で、一方的に契約を解除できる制度。
申込書面または契約書面のいずれか早いほうを受け取った日から計算して、訪問販売・電話販売・特定継続的役務提供(エステ・語学教室・パソコン教室・結婚相手紹介サービスなど)は8日間、マルチ商法は20日間がクーリング・オフできる期間です。通信販売はクーリングオフがききません。
クーリング・オフは書面(はがき)で行います。
はがきは両面コピーして、簡易書留で送付します。相手がクーリング・オフを拒否したり、脅してきたら、期間を過ぎてもクーリング・オフできます。商品を引き取ってもらったら、終了。
関連書類は5年間保管しておきます。
高齢者詐欺相談窓口
被害相談は一人で迷わず、全国共通電話番号の消費者ホットライン『188』へ。最寄りの相談窓口につながります。
高齢者が被害に遭いやすい詐欺の手口をする知っておくことで、詐欺を未然に防ぐことができます。
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